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ドライガーデンについて

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サボテン・アガペ・ドラセナ・ユッカ・ヤシ系などを植栽のメインにもってきて、間にグラス系やドライガーデンに相性のいい下草類をいれて、足元を岩や石で埋めていくと、とてもスタイリッシュなドライガーデンになります。

よりスタイリッシュなドライガーデンにするために大事なのは、主役級の植物にどれだけ形のきれいなor珍しいor大きくてかっこいいものを探してこれるかにかかっていると思います。

もちろん、全体の空間構成や背景、植栽の組み合わせ、石材の種類などの要素も大事なのですが、メインに持ってくる植物にインパクトのある植物をドンともってくることで、なんだこの庭は!という感じに雰囲気がワンランクアップします。

イギリスロンドンにある植物園としては世界的に有名なキューガーデンにも、ドライガーデンのようにつくられた温室があります。そこは、気温、湿度、光量にいたるまで調整されており、自生地に近い気候条件が作られています。その温室では、本場の乾燥地帯に近い雰囲気を感じることができます。普段身をおくことがない空間の、非日常的な雰囲気はとても刺激的です。

少し話はそれますが、イギリスのキューガーデンは植民地時代に世界各国から集めた植物を研究し、活用するための施設としての役割を果たしていました。今では、世界中の珍しい植物が動かなくとも比較的簡単に手に入る時代ですが、まだ世界の多くが未開の地であった時、人々は見たことがない、またはめったにお目にかかれない珍しい植物を探しまわり、それらの有効な活用方法を研究しました。

植物の世界では、新しいものや珍しいものを発見して、それを活用するために研究するということが繰り返されてきました。造園の世界でも似たようなところがあり、庭に植えてもちゃんと育ち管理できる新しい樹種や品種を常にさがしてきました。

大体5年周期くらいで新しいジャンルの植物が庭に使われるようになり、流行として新しい庭の形が生まれています。

ハナミズキ・シマトネリコ・常緑ヤマボウシ・アオダモなどは流行となってきた樹木で、植木屋が見ると使われている樹種で大体いつ頃作られた庭かわかることがあります。ドライガーデンもその流れのなかで生まれた一つのジャンルのように思います。

ドライガーデンで使う植物は個性的で造形的な美をもったものが多く、非日常的なフォルムは見る人のこころの探究心や好奇心を刺激してくれるようです。

外へ外へとどんどん進み広がって行きたいというフロンティア精神をもった人たちとの相性がいい庭のひとつです。

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